重機研HOME  >>  要素技術  >>  LED製航空障害灯

チップLEDを用いた視認性の良い航空障害灯

実機   航空法第51条により高さが60m以上の構造物には航空障害灯を設置することが義務付けられています.クローラークレーンではブーム先端やラフィングストラット部に,タワークレーンではジブ先端とガイサポート頂部に付いています.

従来のLED   航空障害灯を再現するにあたって最も使いやすいのがLEDです.最近は高輝度のものも安く手に入るようになりました.しかし高輝度LEDは指向性が強く,全周囲から同等の視認性を得ることは望めません.模型にそのままつけると天井に赤い光点が映るだけです.
  左側のものは未加工のLEDです.白っぽくなっている部分が輝度が強い場所ですが,それが先端部と中央部のみであることがわかります.右側は頭を削って上からリーディングドリルで円錐状の穴を開けて横方向に光が向くように加工したものです.しかしそれでも光っている部分はごく一部でしかありません.パッケージを研磨して濁らせて光を拡散させる方法もありますが,それでは輝度が低下してしまいます.

LED   そこでチップ型のLEDを用いることにしました.今回はAgilent Technologies製のHSMC-S670というLEDを使いました(データーシートはhpの社名であります).秋葉原の鈴商で50個2000円で売っています.パッケージも2x1.25mmと扱いやすい大きさです.仕様は順電圧1.9V,電流20mA,輝度50mcd,波長626nm,視角165deg.です.
  チップLEDは普通のLEDと同様に極性があります.パッケージの裏に緑の凸マークがありますが,出っ張っている方がカソード(-)です.表の右上に小さい緑の点がありますが,こっち側がカソードであることを示しています.散らかった部屋で落としたり,ピンセットで弾くと発見するのが困難になるので注意しましょう.

片割れ   それでは組み立てです.二つのLEDをまず直列にします.机に貼った両面テープで固定して半田付けします.角度はだいたいこんな感じで.

アノード接続   同じものを3つ作って120対向で半田付けします.今回はアノードを上にしてあります.

配線曲げ   次にカソードを繋げます.ストックしておいた抵抗の足を六角形に曲げて用いました.

カソード接続   カソードに曲げたリード線を半田付けします.

配線   アノード,カソードからリード線を延ばします.色は区別が付く方が良いのですが,見た目の関係で両方とも黒いものを使っています.

熱収縮チューブ   作ったLEDモジュールを取り付ける部分を作ります.絶縁性があって細いチューブが手元に無いので,熱収縮チューブを縮めて使います.φ5mmのものを縮めると内径が2mm弱になったのでこれにしました.

挿入   先ほどのLEDモジュールは中心部が空っぽなのでそこに縮めた熱収縮チューブを差し込みます.

完成   最後に全体をエポキシ樹脂で覆って完成です.LEDには隙間がありますが樹脂が濁っているので光が拡散します.
6nbsp; 下側はφ5mmの高輝度LEDです.サイズ的にも満足出来るものになりました.形状が気になる場合はエポキシ樹脂を多めに盛って形を整えてください,

使用例   出来上がったものをJCC-V720Sのジブ先端に取り付けてみました.

点灯   点灯させるとこんな感じになります.写真では分かりにくいですが鮮やかな赤色です.近くで見るとLEDの隙間が気になりますが,少し離れると違和感がなくなります.
  LEDを点灯させる時には電流制限のために保護抵抗を挟みます.過剰な電流が流れるとLEDが逝ってしまいます.これに点滅回路を合わせれば実物さながらの航空障害灯になります.
  今回は1.25x2mmのチップLEDを使用しましたが,もっと小さいパッケージのものもあります.手先の器用さに自信がある方はもっとLEDを敷き詰めたライトを作ってみては如何でしょうか.


要素技術に戻ります