6.後輩たちへのアドバイス(by森)



 かわさきに参加しようとするチームには、越えなければならないハードルが3つある。それは

  1. 大会当日までにマシンが完成するかどうか
  2. 完成したマシンが重量・大きさ制限をクリアしているかどうか
  3. 試合中にマシンが予定通り動くか、途中で壊れないかどうか
ということである。先代の不倶戴天は、このうち1と2はクリアしていたが、3番目のハードルを越えることができなかったといえる。当然のことだが、これらのハードルを越えるには時間をたっぷり取って余裕のあるスケジュールで製作するしかない。さらに試合当日までには、製作だけでなく完成したマシンを試運転するための時間も見込んでおきたい。できれば試験走行会までには脚機構だけでも完成させ、実際のフィールドで走らせるのが望ましい。ロ技研でかわさきフィールドを製作できれば、試験走行会に間に合わなくてもよくなるのだが・・・。このあたりは実際に製作に取り組んでいる部員に任せることにしよう。(*14)
 いつごろからかわさきに参加すれば良いかという質問に対しては、「やりたくなったときにやれ」としか言いようがない。もちろん早ければ早いほど有利であることは間違いない。例えば高校時代(そのうえ浪人していた年の夏も)から参加している植村のように。しかし我々がチームとして参加したのは小田・森が3年生の時点であり、始めるのに遅すぎるということなどない。
 私の考えた「かわさき」キャリアの積み上げかたの例を示してみよう。
1年生(初級者)
研究報告書(*15)や大会を撮影したビデオなどを見てだいたいの雰囲気をつかむ。そして実際に大会を見に行ってロ技研部員のマシンの戦いぶりをじっくりと見学。当日はどこかのチームのお手伝い要員になるのも良し。
2年生(中級者)
先輩のチームにメンバーとして参加。部品の製作などを手伝う。
3年生(上級者)
自分でチームを結成し、独自のマシンを製作する。
4年生〜院生(常連)
それまでの経験を生かしてマシンを改良していく。
 かわさきマシンが他のロボコンと比べて難易度が高くなっている要因のひとつとして、脚機構を使わなければならないということがある。この脚というものがじつにやっかいなシロモノで、初心者にとっての第一の難関になっている。創造設計第一のマシンを見ればお分かりだろうが、極端に言えば車輪式のマシンはギヤ付きモーターに車輪を直接取り付ければそれで出来上がりである。それに対して脚機構を作ろうと考えた場合、ギヤ・ベルト・チェーン・リンク・カムなど多種多様な機械要素を使って精度の高い工作をしなければならない。これは1・2年生にとっては高い壁といえるだろう。(とはいっても、創造設計第一であっさりと脚型マシンを製作しあっさりと優勝してしまう鴨居のような例もあるのだが
 でも今回のCoffeeBreakerのように、1年生でも自分たちでチームを結成しようと思うならばどんどんやればいいし、その経験が翌年以降の大会で生きてくるだろう。ついでに創造設計第一で経験を生かす機会もあるかもしれない。(だからといって脚マシンを作れとは言わないが)
 自分で設計・製作をすることで、どんな機構が効果的か(もしくは効果的でないか)が分かってくるだろう。それを繰り返すことで、何年もかけて改良を加えるべき独創的なアイデアが生まれることもあり、それがかわさきの常連となる第一歩である。ただし、決勝トーナメントの常連になるかエキシビジョンの常連になるかについては責任を持てない。
 ちなみに自分で設計を行う場合、CADソフト(*16)は使えるようになっていた方がよいだろう。図面を作成・修正する時間を短縮できるし、他のメンバーのためにプリントアウトしたりメールで送ったりすれば意思の疎通もしやすく、部品製作も効率化できる。使うのは高機能な三次元CADでなくともよい。むしろ、価格・操作のしやすさ・プリントアウトしたときの分かりやすさなどを考えると二次元CADの方がよいともいえる。
 最後に、マシン製作にはかなりの費用がかかる(このあたりも初心者に対する難関になっているかも)ことを覚悟しておくように。我々のようにリサイクル材料を活用したり、もしくは植村のようにスポンサーを見つけてきたりといった努力が欠かせない。

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